膝痛や腰痛、実は"足首の硬さ"が原因かもしれません
《若い世代の身体不調、痛みの部位もだけれど...》
身体に膝の痛みや腰痛がある時、多くの方は痛みのある部分に注目しがちです。
しかし、理学療法の考え方では、その部位だけでなく全身を含めて原因を探ることが大切とされています。
私自身箕面市で開業をしてから幅広い世代の方の身体のコンディショニングやリハビリに携わる中で、改めてその重要性を感じることがあります。
最近特に気づくのは、
足首が硬いと「スネ」の動きが制限されしゃがむ・歩く・走るといった動作で膝や腰に負担がかかりやすくなり、結果として膝痛や腰痛につながるケースも少なくありません。
つまり、痛みの出ている場所そのものにアプローチをするだけではなく、「なぜそこに負担が集中したのか」を全身の姿勢から考えていくことが重要です。
今回は、足首の動きと簡単なセルフケアをご紹介します!
《足首の正常な動きとは?》
足首が硬いと歩く・走る・しゃがむといった動作の際、地面からの衝撃をうまく逃せなくなります。
その結果、腰や膝に直節負担がかかり痛みにつながることがあります。
さらに、足首の硬さによって「扁平足」になる場合もあります。
扁平足になると、すねの向きがねじれてしまい、膝関節に余計な負担がかかります。
このような状態は、膝や腰の痛みを引き起こす原因のひとつ。
できるだけ避けることで、身体への負担を軽くすることができます。
足首の動きは本来、とても複雑です。
上下の動き(背屈・底屈)や、左右の動き(外転・内転)、さらにねじれるような動き(内返し・外返し)まで含まれます。
この中でも、特に痛みの予防に大切なのが背屈(足首を上に反らす動き)と外返し(足首を外にねじる動き)です。
『画像:足関節背屈』
『画像:足関節外返し』
背屈が小さいと「すね」の動きが制限されて膝に負担がかかり、回外が制限されると扁平足になりやすく、足腰に負担が増えてしまいます。
正常な目安は、背屈と回外がそれぞれ20度程度動かせること。
逆に、臨床経験上50度まで背屈ができる人を見たことがあります。一見「柔らかくて良さそう」と思うかもしれませんが、実はその場合、足首の靭帯が緩んでいる可能性が高く、捻挫をしやすいリスクがあります。
そのため、ただ柔らかければいいわけではなく、安定性を保つ筋肉の働きがとても大切になります。
その場合は特に、すねの前の筋肉やふくらはぎの筋肉をしっかり鍛えておくことが予防につながります。
ここからは、足首の柔軟性を向上させるセルフストレッチをご紹介します!
《足首が硬い人必見!簡単セルフケアの方法》
まずは足首の状態をセルフチェックしてみましょう!
膝を伸ばしたまま足首を上に向けてみて、ふくらはぎが強く突っ張ったり、太ももの裏に痛みを感じる方は、ふくらはぎがガチガチに固まっている可能性があります。
また、人によっては痺れを感じる場合もあります。さらに前屈で腰の痛みが強くなるといった症状が現れる場合は、ヘルニアなどの腰の疾患が隠れていることもあるので、気になる方は一度医療機関にご相談ください。
セルフケアはとてもシンプルです。
座った状態や仰向けに寝た状態で、足首を「ハの字」に開く動きと、伸ばす動きを交互に繰り返してみましょう。
なぜ、「ハの字」にするかというと、足首は構造的に背屈(上に反らす動き)をした時、自然に少し外に開いていく性質があるためです。
この動きを取り入れることで、よりスムーズに柔軟性を高めることができます。
このセルフケアは足首の柔軟性を高めるだけでなく、ふくらはぎの血流を促すことで、日常生活で感じやすい「重だるさ」や「むくみの予防」にも役立ちます。
誰でも簡単に取り入れられる方法ですので、気になる方はぜひ試してみてください。
セルフケアの具体的な方法はインスタグラムでも紹介しています。日常のケアに取り入れるヒントにしていただければと思います。